平々凡々並がいい、みたいな普通の子をかきたい。なんか必殺技とか持ってるわけでもなければ体力ないしメンタル弱いし運動神経も切れてる。みんなみたいに心に傷なんて負ってない。戦うってことに実感が湧かないまま巻き込まれてどうすればいいのかわかんなくて右往左往する。
わかりやすく言えばハガレン一期のOVAに出てくる錬金術師見習いみたいな。でもあの子には錬成陣の描かれた指輪があるけど、この子には振るう拳もなければ銃もないし剣もない。全くの戦力外。見た目も普通、学力も普通、ちょっと真面目ででもときどきサボる、喜怒哀楽も人並みに表現するどこにでもいるような至って普通の女の子。
だからみんなが戦ってる中で自分は影でこそっと見てるしかできない。だけどまわりの人は戦えって言う。なにもできないのに。お前ならできるって言ってくる。だからすごい悩んじゃって逃げたくなったり。
自分になにができるのか必死に考えるけど結局結論はでなくて、みんなに訊いても自分で考えろやって言われちゃう。わけわからんってなる。戦う意味も意義も能力もないのに自分を引き入れた理由がわからなくて更に悩む。自分は信頼してないのに信頼される意味がわからない。だからみんなが仲間だと思ってくれてることにすら気づけない。
でも戦って傷ついていくみんなを見てるしかできない自分にだんだんやきもきするっていうか歯がゆくなって、なんとか戦う能力がほしいって思うけどどうすればいいのかわかんない。戦うってことは傷を負うことで、守られるってことは自分を守る人が傷を負うっていうこと。それをわかっているけど、戦うってことは生半可じゃない覚悟が必要だからまた悩む。なんとかみんなの役に立ちたいって思ったけど、やっぱり自分の無力さが悔しい。
戦う術を持たない自分は利用されやすい立場にあるから、何があっても自分を守らなくちゃいけない。みんなの不利を招くようなことになっちゃいけない。自分を守りながら、みんなの戦いを見届ける。みんなが気兼ねなく戦える状況をつくらなくちゃいけない。傍観するしかない自分の戦い方とやるべきことの内容に混乱する。そんな話。
2015.7.26