「賢者の石?……ああ、わかりますよ。祖国ではよく見かけました」
「なっ、それ本当か!?」
「え、ええ。作成方法は多種ありますが、私もそのうちの二種は知っています」
「多種?賢者の石の生成には生きた人間を使うんでしょう?他になにか方法があるんですか?あっ、錬成陣の形状が違うとか?」
「人間?まさか。祖国にはモノバイル以外に人間なんていませんでしたし、錬金術の概念もありませんから。作成法はまず、宇宙の根源物質であるプリママテリアを用意しなければならないんですよ。そしてそのプリママテリアを黒化ニグレドさせる為腐敗させ、次にそこから精を取り出して再生させ白化アルベドさせるんです。これを何度も繰り返すこと、あるいは白化させた段階から三原質である塩・水銀・硫黄を用いて熟成を行う事で赤化ルベトへと至り、さらに熟成を経て「賢者の石」が完成します」
「……は?」
「あら?ユヒナ、私どこか間違えてましたっけ?」
「いえ、一字一句として間違えてはいません」
「そうですよね、いつの間か耄碌でもしちゃっていたのかと思いました」

*

 自らの素石を燃やして生きるモノバイルと、賢者の石を体内に宿して生きる人造人間は一見すると酷似しているようにも思えますけど、実際のところ大きく違います。
 モノバイルは、人造人間のように傷の修復が速いわけでも半永久的に生き永らえるわけでもありません。普通の人間のように怪我や病気もしますし、そもそも、モノバイルは炉が壊れたら生きられませんから、もしかしたら人間より脆弱かもしれませんね。同じ威力の攻撃を喰らってもダメージの受け方に違いがあるのは、その脆弱性をカバーするためだと私は思っています。レアクラスのモノバイルは、コモンやエリートに比べてその戦闘力は桁違いと言われていますが、そこもやはり、素石の入手が困難であること、活炉させてもすぐに石が燃え尽きてしまう燃費の悪さをカバーしているんでしょうね。そうでなければ、すぐに下位のモノバイルに下剋上されてしまいますから。
 大発火によって多くのモノバイルは祖国から人間界に散り散りになってしまったようですが、錬金術の発達したこの世界に来れたことは不幸中の幸いだったのかもしれません。完全体ではないとはいえ、素石の精製ができることは大きな助けになります。
 他のモノバイルの気配は感じられないので、もしかしたら私とユヒナ以外にこの世界に飛ばされたモノバイルはいないのかもしれません。これも私たちにとっては好都合です。無駄な石の消費をする必要がありませんから。

2015.07.26
MHAのamalgamate夢主は元々アルバ×ハガレンの夢主だったという話