は菅原孝支の幼馴染みだ。
 物心つく前から一緒にいて、物心がついてからも、幼稚園から小学校と中学校を経て高校に至るまで、登下校も常に一緒だった。家が隣同士であることもそれを増長させる要因だったのだろう。お互いの部屋を窓とベランダを介して行き来するような、ともすれば少女マンガのようなベタな展開も違和感を持たないままにここまできてしまった。
 幼い頃からよく女の子に間違えられるような、少女のような可愛らしさを備えたは成長してもその雰囲気が抜けることはなく、むしろ儚さと色気を兼ね備えた、所謂美少年と分類されるであろう容姿へ至ることとなった。
 その端正な容姿故か、それとも纏う危うげな雰囲気に惹かれてか、同性に告白を受けることもままあったが、その度に菅原が妨害工作を労してきたことをは知らない。知らなくていいとも思う。彼に影響を与えかねない世間のきたないものを全て排除して、永遠に純潔な存在であってほしいとすら思った。この時点で既に純粋なる好意や厚意ではなく、嫉妬心や独占欲で雁字搦めになりかけていたのだが、当時の菅原はただ自分が彼を守らなければ、自分だけが彼を守れる、という義務感と優越感に目が眩み真実が見えていなかったのだ。

2015.11.26
ヤンデレ予備軍のスガさん