現実として今は受け止めなくてはいけないから、とあまりに負荷を感じすぎることもあるけれど、過ぎてしまえばひとつの通過点にと変わるのだろうか。時が変えてくれるのだろうか。今はまだ、にわかに信じがたいけれど。
初めて陽日への恋を自覚したことも毎日の出来事もなにもかも、振り返って笑えるようになるのだろうか。あのときの自分はばかだったなぁだとかあれはおもしろかっただとか楽しかっただとか。そんな救済にとなってくれるのだろうか。
過ぎ去ったあの日の俺たちはもうどこにもいない。三十を間近に迎えて開き直ることのできる少しずるい大人の自分がいる。たくさんのものを足して大人になれた日はもう遠い。なにかを捨てなければ新しいものは得られなくなったのだ。
愛していたことはきっとこれからも忘れられないし、そばに、今もこの胸にある。忘れないよ。